活動内容

● SCE・Netの活動には、大きく分けて グループで行う研究会活動、講習会開催を通じた教育支援活動、外部発信及び化学工学会への企画協力、外部からの依頼に応じるコンサルタント業務などがあります。
● 現在活動しているグループには、安全・エネルギー・神奈川・環境・装置材料・福島問題・ネット交流・教育の8つのグループがあります。グループ内では、下記に示す活動最新情報の入手を行い、外部発表や、出版活動に繋げています。

<グループの活動概要>

安全研究会 : CCPSが発行しているPSBを翻訳し、AIChEのHPに掲載すると共に記事についてのコメント集を「談話室」としてSCE・NetのHPおよび「化学装置」(㈱工業通信)に掲載しています。2015年に「事例に学ぶ化学プロセス安全」、2018年に「若い技術者のための プロセス安全入門」、2021年に「化学プラントの老朽化」を出版しました。さらに、これらの本を教本としてプロセス安全の普及を目的に「リスクに基づくプロセス安全入門」の講習会を実施しています。また、2022年にはCCPSのProcess Safety Metrics ver.4.1の翻訳を完了してHPに公開しました。
COVID-19をきっかけに2020年3月以降、毎月の定例会はオンラインで実施していますが、逆に遠隔地にお住まいの方も参加しやすくなっています。2024年1月には東京の居酒屋に集まり、新年会も行いました。

エネルギー研究会 :「温暖化対策としてのマイナスカーボン社会を実現するための技術の調査、その経済性について検討」を研究テーマとして、2050 年温暖化ガス排出実質ゼロに向けて、「⽉例研究会」を中⼼にして活動しています。具体的には、マイナスカーボン関連技術、社会情勢などについて、関連するテーマについて各メンバーによる専⾨分野の調査研究発表及び討論を通じて、主要な論点を外部に発信していくことを⽬的としています。月例研究会はZOOMによるリモート会議となっています。

神奈川研究会:神奈川地域を中心に12名の会員が、最新の科学技術・エネルギーと資源・環境などについて、多面的に考え、調べ、討議し、得られた知見や提案を外部に発信することを目的に活動しています。2022年度は研究会を10 回開催しました。その成果は、学会の総会の場や雑誌にも発表しています。また、研究関連の見学等も取り入れ、外部との意見交換を行っています。

環境研究会:「環境」に深く関心を持つ会員が各々「マイテーマ」を研究し, 研究会の場で報告, 討議し,それを深めて行く活動をしています。また, メンバー全員の共通課題としてSDGs への取り組みも進めています。メンバーは 現在13 名(2023年5月現在)で、現在はコロナ禍のためオンラインで毎月開催しています。化学工学会年会等での発表のほか、公開講座「原子力・放射能基礎論」をサポートもしています。

装置材料研究会:化学会社やエンジニアリング会社、大学等で材料問題を経験した技術者達が、豊富な経験を基に、各種プラントで発生した損傷事例を調査・収集・解析して将来への教訓を抽出し、事例集(2017 年版CD)として出版し、活動を続けています。NEDO のAI ソフト開発にも参画しており、「 プラント保全におけるAI開発(NEDO 助成事業)」として化学工学会第86 年会で発表しております。現在11 名で活動を続けており、年4回研究会を開催しております。

福島問題研究会:2011年に発生した東京電力福島第一原子力発電所(1F)の事故に伴う諸問題の解決に対して提言することを活動の目標としています。1F の事故から10年を経過したものの、最終解決の方向性が見えにくい状態が続いている中、汚染水発生量の低減に向けた課題を整理するとともに、原子炉全体での熱収支や新しい吸着剤の可能性等について検討を続けています。現在の会員数は9名で、2022年度は研究会をオンラインにて9回開催しました。

ネット交流会:インターネットを通じた会員交流の場であり、オンライン会議の先駆けとして始めたもので、全国各地の会員がオンラインで自由に交流しています。各自がエネルギーやエレクトロニクス情報などの最新トピックスを取り上げ、意見交換を交わしています。毎回5~12名が参加しており、2022年度は11 回開催しました。

教育グループ:シニアエンジニアが体験した技術を若い技術者に伝承し、新しい発想への触媒になることを目標としています。社会人を対象にした知の市場公開講座では「原子力・放射能基礎論」、企業技術者向けには、「初心者のための化学工学入門」、「プロセス安全講習会」を開催しております。また、化学工学科の現役学生との交流を目的に、「ケミカルエンジニアリング・カフェ」も毎年開いております。

<外部発信>

技術懇談会:会員講師1名と外部招聘講師1名の組み合わせで、最新技術の講演を行なうとともに、会員相互の親睦をはかることを目的にしています。これまでは対面型の講演形式でしたが、2021年度はコロナ禍の影響で5回全てをオンラインでの開催に切り替えました。外部講師からはSDG関連のテーマやコロナウイルス対応の創薬技術などについての講演があり、会員講師からも各自の体験技術等に係る講演があり、外部の方を交えた幅広い懇親・交流の場となりました。

SCE・Netの窓:会員からの投稿をSCE・Net ホームページに掲載しており、2022 年度はレポート22件、エツセイ11件、創作0件の計33件の投稿がありました。トップページ上にイラスト付きで掲載されており、外部発信を意識した工夫をしております。

年会産業セッションでのシンポジウム開催:化学工学会年会の本部企画産業セッションの中で、産官学連携センターの1 セッションを企画しております。一貫して、「現場力の向上」を基本コンセプトとして設定しており、2021年度は「将来を見据えたデジタル技術活用による現場力アップの取り組み」のテーマを掲げ、東京会場と神戸大学会場の2 箇所で、”オンサイト+オンライン”のハイブリッド開催を実施しました。

<コンサルティングほか>

業務受託:SCE・Netは化学工学の分野で、幅広い専門分野を持つベテラン・エンジニアが技術上の問題の相談にのり、課題の解決にあたります。委託された内容を事務局が分析し、最適な人材をSCE・Net内に募り、推薦致します。2021年度は依頼案件が6件ありましたが、そのうち4件を受託しました。

執筆:業務受託の一環として、Web情報サイトからの要望に応じ、特定テーマの執筆について、執筆者をSCE・Net内に募るとともに、執筆したレポートをHPにも掲載し、外部発信の一助としています。